アインシュタインの特殊相対論に関する論文
運動物体の電気力学
A 運動学の部
アルベルト・アインシュタイン
((意訳翻訳版))
静止座標系と運動座標系を導入する。
重要な点は、時間に関する判断は全て同時性に関する判断ということである。
例えば、「汽車が7時にここに到着する」とは「自分の時計が7時であることと列車が到着する出来事が同時に起こる」という意味である。
しかし、この方法では時計から離れた複数の出来事には良く対応できない。
空間のA点とB点に時計があり、A点の観測者はA点の近くの出来事の時刻をA点の時計で判断し、B点も同様とする。しかし、A点の出来事とB点の出来事の時刻を比較するにはさらに規則の設定が必要である。
光がA点からB点に到達する時間とB点からA点に到達する時間は等しいとする。光線が”A時間”の時刻t[a]にA点を出て”B時間”t[B]にB点で反射して”A時間”のt’[a]に到着したとする。このとき
t[B]ーt[A]=t’[A]ーt[B]
が成立するならば、時計AとBは同期していると定義する。すると、次の関係が成立する。
A点の時計がB点とC点と同期しているならば、B点とC点も同期している。
こうして、(想像上の)物理実験を行い別の場所で互いに静止している時計の同期を定義した。
経験に基づき、真空中の光の速度は普遍定数とすると
距離AB/(t’[A]ーt[A])=光速C
ここでは静止系の時計を用いたので”静止系の時間”と呼ぶことにする。
以下の考察は、二つの原理に依存している。二つの原理を次のように定義する。
光の速さ=(光が進んだ距離)/(時間間隔)であり、”時間間隔”は第1節で定義したものとする。
静止系でlの長さの剛体棒が、静止系のx軸に沿って速さvで運動している。この棒の長さは何となるだろうか?
それを、次の二つの操作で知ることができるはずである。
相対性原理によれば操作(a)と(b)で得られた長さは等しくなければならない。
ところがこの二つの長さは等しくならない。
===以後は支離滅裂で頓珍漢なので省略===
静止座標系(K系)とそれに対してx軸方向に速さvで慣性運動している運動座標系(k系)があるとする。
静止系Kでの出来事の場所と時刻を完全に指定するx,y,z,tと運動系kでのx’,y’,z’,t’の組が存在する。問題は、これらの量を関係付ける連立方程式を求めることである。
先ず初めに、求める式は明らかに1次方程式でなければならない。なぜなら空間は均質と考えられるからである。
x’’=x−vtと置く。運動系で静止している点の座標は、明らかに、時間に依存しない組(x’’、y、z)を持つ。時間τを x’’、y、zに関数として求めよう。
運動系の原点から放出された光線がx’’に向かいτ1にx’’で反射されて原点に向かい、時刻τ2に原点に戻ったとしよう。
===以後は支離滅裂で頓珍漢なので省略===
光速度不変原理と相対性原理を使用して理解不能で明らかに正しくない式と式の変形、式の確定が実施される。数学的にも正しくない。
分かり易く言うと、支離滅裂で頓珍漢なデタラメな式と主張である。
= = = = = =
結論:
変換式は
τ=β(t−(v/C2)x)
x’=β(x−vt)
y’=y
z’=z
β=1/√(1−(v/C)2t)
となる。
運動系kに対して静止していて、中心がk系の原点にある半径Rの剛体球を考えよう。この球の表面の方程式は
x’2+Y'2+z’2=R2
となる。
一方、静止系では
x2/√(1−(v/C)2)+Y2+z2=R2
となる。
つまり、静止系では球ではなく楕円に見える。
運動系kで運動している点があるとする。
x’=Wx’τ
y’=Wy’τ
z’=0 式(1)
ここでWx’,Wy’は定数である。
静止系でのこの点の運動を求める。第3節で導いた変換公式を用いてx、y、z、tを求めると
x={(Wx’+v)/(1+(Wx’v/C2)}t
y={√(1−(v/C)2)/(1+(Wx’v/C2))}Wy’t
z=0 式(2)
を得る。
ここで
U2=(dx/dt)2+(dy/dt)2
w2=Wx’2+Wy’2
α=arktan(wy/wx)
と置く。
αは二つの速度vとwの間の角度と見なすべきものである。
簡単な計算から次式を得る。
こうして得られた速度に、vとwが対称的に入っていることに注意しよう。
wもx軸の方向を向いているとすると
U=(v+w)/(1+(vw/C2))
となる。
この式から光速度Cに”光速より小さな速度”を加えても光速度は変わらない。