ファインマンのノーベル賞論文



R.P.ファインマン                         1948年


非時空観点の量子力学

R.P.ファインマン
コーネル大学
ニューヨーク、イサカ

概要

非時空観点の量子力学はここで違う方法で公式化される。しかし、それは数学的に類似式に等しい。量子力学ではある出来事の確率は、各別のものから一つ方法へいくつかの複雑な式の絶対行列により表される。物質の確率は、軌道x(t)が領域内各軌道から一つへ時空領域の寄与の合計行列として置かれるだろう。一つの軌道からの寄与は、古典運動の問題の軌道の(想像の)位相の指数関数と当然仮定される。その軌道からx、tに到達した全ての軌道の寄与の合計は波動関数ψ(x、t)で表される。これはシュレディンガー方程式を満足すると示される。行列と操作子代数学の関係は論じられる。電磁量子力学場の振動子の協働を除去するという応用は示される。

1.導入

 量子力学が全く異なる二つの数学的式から始まったことは奇妙な歴史的事実である。:異なるシュレディンガー方程式とハイゼンベルグ行列代数である。二つの似ていない方法は数学的に等しいと証明されているようだ。二つの視点はお互いに補完しあい、ディラックの移行理論で究極的に調和される。

 この論文では、第3の基本的な非相対論的量子力学理論公式を記述することとする。この式はディラック〜量子力学の古典運動に関するを参照せよ〜により、いくつか示唆されている。確立振動は物質の完全な運動に、単純に特定時間の物質位置、時間の関数として関連ずけられている。

 その公式は数学的により普通の式と等しい。 それゆえ、基礎的な新しい結果は存在しない。しかし、古いものを新しい視点と関連づけるのは楽しい。
そして、別の利点を提供する新しい視点も存在する。例えば、二つの機構A,B、相互に作用し、いくつかの機構の一つの座標、Aの運動量を記述する式から除去されただろうものをBと呼ぼう。Bとの相互作用は、Aの運動量に関連付けられた確率振幅式の変動として表せられる。それはBの古典的状況の影響〜運動量Aの式の変動〜に類似している(Aに及ぼす力を表す期間の導入により)。こうして、横断座標は、縦座標振動子も同様、量子電磁気学から除外される。
 追記として、常に新しい視点は 現理論を形作る考え〜現在経験を取り囲む形成必要物〜を鼓舞する希望がある。 

以下省略

2.確率振幅の重ね合わせ

 示された公式はそれ自身の基礎的考え〜完全に特定の運動量に関連づけられた確率振幅の考え〜を含む。それゆえ、量子力学概念の確立振幅の重ね合わせを詳細に確認することは価値があることである。古典から量子への物理的概要の基礎的変更を調査しよう。
 この目的のために、時間の連続した3つの計測が可能な仮想実験を考えてみる。
:最初の量子A、それとB、とC。それは実際に違う量を持っている必要はないし、
もし、連続した三つの計測の見本が心の中に保持されるならばそれは良く実行される。計測Aからの可能な結果として数の一つaを、bをBから、cをCからのと考える。計測A,B,Cは完全に量子機構事例aの状態を特定する計測の形式であると考えるべきである。例えば、それはBは値bを持ち縮退していない。
 良く知られたことだが量子機構は確率を扱うがそれは自然に完全な象徴ではない。古典と量子の理論間の関係をより明確に示すために、〜全確立は0か1である〜古典的に確立を扱うことを提案することができる。より良い代価案は確率が古典状態の機構の感覚であると古典事例を想像することである(あるいは、相互作用は完全には特定されない)。もし計測Aが結果aをBがbを与えるならば、確率Pabを定義する。類似的にPbcも同様である。さらに進んで、もし、AがaをCがcを与えるならばPacを見込みとしよう。もしAがaをBがbをCがcを与えるならば 、すなわち、最後にPabcにより全て三つを示す。もしaとbの出来事がbとc間のから独立しているならば

は真実である。状態Bがbであるときに量子機構が完全に状態の詳述であるために、これは正しい。
 どんな出来事でも、次の関係を期待できる

これはなぜならば、最初に、もし計測Aがaを与え機構が後で結果cが計測Cに対して与えると見いだされるならば、量Bはその時AとCの間のある値を持たなければならない。
その確率、それはbであり、Pabcと表す。それをbに対して全てに渡り相互的排他的な代替物を合計し積分すると(象徴されたΣb)となる。
 今、古典と量子物理の間の基本的違いは式(2)の中に存在する。古典的機構ではそれは常に正しい。量子物理ではしばしばそれは間違いである。AがaとP「上右q」acにより与える時にあるcの計量の結果Cの量子機構確率を示せる。
式(2)はこの驚くべき法則による量子機構により置き換えられる。:そこに複素数φab、φbc、φacがあり、それは

古典法則では、結合式(1)と式(2)で与えられる。

は下式で置き換えられる

もし(5)が正しければ、通常(4)は正しくない。この論理違いは(4)を首尾一貫していると推論した為に作られる、もちろん、aからcを得ると推測する。その機構は、Bは限定されたいくつかのbを持つのような 条件を通過しなければならなかった。
 もし、ある試みがこれにより確認されたならば、すなわち、もし、Bが実験AとCの間で測定されたならば、そのとき式(4)は実際に正しい。より正確には、もし計測Bに対する装置が準備され使用されたならば。
しかし、ただAからCへの相互関係は記録と不自然である感覚中でB計測の結果を利用する試みはなされなかった、それと(4)は正しい。これはなぜならば、B計測機械がその仕事を実行した;もし望むならば、常に妨害なしにどんな距離のメータを読むことができると。aとcを与えることが可能な実験は、それゆえ、値bから独立した集まりに分離される。
 視点(4)の 周波数点を見よ、単純に各実験がaとcを与え、Bがある値を持つ状態からの結果である。
 間違いである方法(4)のみは、しばしば意味がないであろう状態”Bはある値を持つ”である。Bを計測することなしの状況下のみで(5)が(4)を置き換えることはないし、Bを計測しないで状態を”Bはある値を持つ”意味がないと言うことに導かれることはない。
 それゆえ、aとcの相関関係について別の結果を持つ、すなわち、式Bを計測するかしないかの試みから独立している式(4)か式(5)である。
  
 例えどのように精巧に試みても、Bを計測する試みは機構を乱してしまう、少なくとも(4)に対する(5)により結果を変更してしまうには十分である。その計測は実行すると、実際、必須な妨害の為に、基本的に、(4)は失敗するだろうことは最初に明確にハイゼンベルグにより彼の不確実な主張の中で宣言されている。法則(5)はシュレディンガー、BornとJordanの統計的解釈、変換したDirac理論の仕事の結果である。

 式(5)は物質の波動性の典型表現である。計測がJ.von.Newmann(数学者)により不自然で特別なものである機構を乱す時、どのように(4)は実際に(5)からの結果となるのだろうか。その測定設備の摂動効果はθbにより効果的に干渉する構成分子の位相を変更する。なお(5)は次式となる。

しかしながら、von.Newmannは、もし結果がφacの2乗である確率PacとしてBが計測されたならば位相変更は未知のものとして残らねばならないと示した。全ての位相平均θb。この結果は(4)にある。

 もしAとBが対応するAとBの操作子ならば、そして、もしφaとφbが

の解であるならば、こうしてφabは、そのBが対角であるところに対するAが対角である表現からの遷移に対する遷移行列の一つの要素(a|b)である。ここで、aからcへといくつかの異なる行程(値b)を通る物を見つける機会は、もし行程を確定しようとしなければ、各可能な行程に対していくつかの複素量1の合計の行列であろう。

 確立は通常波と関係付けられて典型的な現象の境界面〜強度は別資源からの合計寄与の行列により与えられる〜を示す。
電子は波として振る舞う、(5)、言ってみれば、それが物質であると確認しないかぎり;しかしまだ、決定することは可能である、もし望むならば、どんな行程でも電子は物質のように進む;しかし、それをした時、(4)が適用しそれは物質のように振る舞う。
 これらのことは、もちろん、良く知られている。それらのことは既に何度も説明されている。しかしながら、それらは基本的に私の量子力学公式の基礎である式(5)であるので、それらが全て単純にに式(5)の直接の帰結であるという事実を強調することは間違いのように思われる。
 
 計測の大きい数へ式(4)と(5)を一般化することは、A、B、C、D、…K、は当然a、b、c、d、…k、で次式となる。

例えば、もしb、d、…が計測されたならばa、 c 、kの結果の確立は古典式:

もしAとC間、CとK間の計測がなされないならば、同じ続きのa、 c 、kの確率は次式となる。


条件A=a、B=b、C=c、D=d…K=kで量φ[abcd…k]を確率振幅と呼べるだろう。(もちろん、それは成果物としてφ[ab]φ[bc]φ[cd]…φ[jk]と表示可能である。)

3.時空行程の確率振幅



  最終章の物理概念は直ちにに時空行程を完全に特定された物質の確率振幅を定義するように拡張されるだろう。1次元に限定し、これがどのように実行されるか説明することは、一般論としていくつかの次元では明らかである。

 座標xの様々の値をとることが可能な物質をあると仮定しよう。

 連続位置計測の巨大数を作り、ある微小時間間隔εにより分割されていることを想像しよう。それから、A、B、Cのような計測の連続…は時間t1,t2,t3…〜t[i+1]=t[i]+ε〜の連続で座標xの計測の連続である。時間t[i]での座標の計測の結果であろう値をx[i]としよう。このようにして、もしAがxのt1での計測ならばx1は以前にaにより示したものである。古典的視点では、連続した値、座標のx1,x2,x3,…は事実上として行程x(t)を定める。結局はε→0となることを期待している。

 そのような行程の確率は関数x1,x2,x3,…x[i]でP(…x[i]、x[i+1]…)という。時空の特定領域Rに横たわる確率は古典的にその領域に対する積分Pにより得られる。
こうしてa[i]とb[i]の間の確率はx[i]で、a[i+1]とb[i+1]の間の確率はx[i+1]等々

記号∫[R]は積分は変数のR内の範囲で取られることを意味する。これは単純に式(6)でa,b…をx1,x2…に置き換え合計記号を積分記号に置き換えたもである。
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 物質が私の”考えた計測”により見つけられる領域R内の確率は、確かに、
複素数の2乗で|φ(R)|^2であると期待する。私が確率振幅と呼ぶ領域R内の数φ(R)はa,b…をx[i],x[i+1]…に置き換え合計記号を積分記号に置き換えた式(7)で与えられる。:

複素数Φ(…x[i],x[i+1]…)は行程を定義するx[i]の関数である。実際、時間間隔が0に近ずき、そしてΦが基本的に完全な行程x[t]にむしろx[i]、特定時間t[i]、x[i]=x(t[i])のみに依存すると想像する。Φを行程x[t]の確率振幅関数と呼んで良いだろう。

 これらの考えを私の最初の仮定で要約する。:
1. もし想像上の計測が実行されて、ある物質が時空領域内のどの行程に横たわるのかを決定することと、それから、領域内で各行程の一つの行程、結果が断定的な確率は複素数寄与の合計絶対行列である。

 前提の状態は完成していない。”各”行程に対する合計の一つの用語の意味は不明確である。(9)式により与えられた正確な意味はこれである。:ある行程は位置x[i]のみにより定義される;それは、t[i]=t[i-1]+ε 、等しい間隔を開けた時間の連続を通って行く。こうしてR内の各座標の全ての変数はある等しい重みを持っている。事実上の重みの大きさは εに依存し、単一に標準化されるだろうと確信するある出来事の確率として選択可能である。そうすることは最善ではないだろう、しかし、2番目の前提として、重み事実を比例定数から取り除いた。極限 εー>0は計算の最後に実施されなければならない。

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4. 行程の確率振幅の計算

 最初の仮定は 量子機構で要求される確率計算の数学的概略の形式を処方する。2番目の仮定は、各行程の重要な量Φをどのように計算するかの処方によるこの概略に対する特定内容を与える。:
 U.その行程同じ大きさで貢献する。しかし、その貢献の位相は古典運動である(h[上にー]の要素で);例えば、その行程間のラグラジアンの時間積分。
 
 それはいわゆる、与えられた行程x(t)からの貢献Φ[x(t)]は、EXP(i/h[-]・S[x(t)])に比例している,なお 運動S[x(t)]=∫L(x・(t)、x(t))dtは問題の行程間の時間積分の古典ラクラジアンL(x・、x)である。このラクラジアンは時間の明示的関数で、位置と速度の関数である。もし、それは2次の関数と思うならば、私はここでの仮定の数学的同等物とより普通の量子機構式を示すことができる。

 最初の仮定を翻訳するために、ただ連続した時間t[i]を渡る行程を通る位置x[i]の連続を与えることにより行程を定義する必要がある。S=L(x・、x)dtを計算するには、丁度x(i)〜t(i)とt(i+1)間の間隔内の関数x(t)はt[i]でのx[i]からt[i+1]でのx[i+1]に至るラグラジアンLと古典的粒子に従う行程であろう〜ではなく、全ての位置の行程を知らなければならない。この仮説は断続的行程の第2の仮定を翻訳することを要求される。 
量Φ(…x[i]、x[i+1]…)は正規化可能である(様々なεで)、もし望むならば、そう、εー>0で1に正規化されたある明白な出来事の確率に。

 積分を外に出すことは難しくない、なぜなら、t[i]での突然の速さの変更が、
Lが最初のより位置から派生した高い時間に依存しないかぎりの理由による。
それゆえ、Lがこの方法で制限されない限り、端点が古典的行程を定義するのに十分でない。こうして、古典的行程、最低限の動きをするは次式と書ける。

右辺の式は

この方法で記述すると、古典機構に対する唯一の魅力は、ラグラジアン関数を提供する点である。実際、二つ仮定(前提)を考えることができる、
”Φがiの倍数の累乗で実数関数のx(t)とそれの最初の派生時間の積分であると”。それから、古典運動方程式は、大きい次元制限で後で引き出されるだろう。xとx[上に.]は固定要因中の古典ラグラジアンで示される。

 実際、(10)の合計は、極限εに対して、無限大であり、それゆえ意味がない(無限拡張の時間のため)。これはむしろ仮定(前提)の不完全さを反映している。私たちは私たち自身を限定されたもの、しかし任意長の時間間隔に制限すべきだろう。
 
 二つの仮定(前提)を結合し式(10)を使用すると、次式が見いだされる。

上式について、正規化係数を各時間の瞬間毎に(以前に定義した特別な値)1/Aと分割した。積分は領域R内でx[i], x[i+1]と渡る。この式、(11)のS(x[i], x[i+1])の定義、粒子がR内で見つかる確率としての|φ(R)|^2の解釈、は私の量子機構の式を完成させる。

ーーー以後、13章までは省略ーーー